Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
とこの善良な遅鈍らしい百姓は腕組みをして考えていたが、なかなかおいそれとも思い当らぬらしく、しかし、それでも好奇心は相当に湧いていたのか風呂のことも忘れてしきりに考え込んでしまった。
「別段それほどまでにぜひ知りたいというわけでもないんだから……そんなに考えなくたっていいんだよ。さ、御飯もすんだから風呂へはいろうか!」
としまいには私の方が面倒臭くなって投げ出すほど、この二人ときたら私以上の熱心さで、ああでもないこうでもないと首を捻っていたが、何としても手に余ったとみえて、
「どうしてもわかりませんですなあ! 旦那様! じゃ、お風呂におはいり下さいまし。よく滾っておりますから」
と亭主はやっと諦めて座を立ち掛けたが、その拍子にこの恐ろしく手数を掛けた亭主の智恵がようやく廻ってきたと見えて、
「わかりました! わかりました! やっとわかりましたです!」と膝を叩いて、
「ほれ! 何じゃねえか、お前、日野様のお墓じゃねえか?」
と鬼の首でも取ったようにお内儀さんの方に眼を輝かせた。
「あ、そうそう、わたしも聞いていた。お前さん日野様の坊っちゃんだよ。それに違いないよ。