Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
「やっぱり利巧な猫がおりましたそうでございます。お亡くなりになりました若さまがたいそうおかわいがりになっておりましたそうで……それが竜胆寺のご隠居さまがお亡くなりになりましたときから、プッツリとすがたを見せませぬそうで……」
「おう、やっぱり猫がいたか! フウム、なるほど怪猫じゃったのか。そうかそうか、怪猫のしわざじゃったのか!」
と、はじめて左近将監にも腑におちました。なるほど曲者が怪猫だったとすれば、いっさいがっさい合点がまいります。
桜の馬場での襲撃も、門前でおこなわれたあのふしぎな仇討ちの謎も……そしてまた最後に奥女中の八重がゆくえをくらまし、飯炊きのお稲もゆくえをくらまし、膳部のかかりをみんなおっぱらっておいて、ゆうゆうと飯炊き女にばけこんで、左近将監の食事のなかへ毒薬をしこもうとして、佐平治に見つかるや、とうとうその本性をあらわして、将監におどりかかってきたことといい、その毒殺にも失敗するや……こんどは隠居所の老母をくいころして、そのすがたにばけて将監のゆだんをねらっているてんといい、その智恵の周到さ! その執念深さ! おそろしいとも気味わるいとも、いわんかたありません。