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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「曲者、出会え、出会え!」

と、廊下をぬけて勝手口へおどりでてきたとたん、

「だ、だ、だんなさま……お助けくだされませ。幾でございます。曲者ではございません。……お助けくだされませ!」

両のたもとをかかえて刃の下をかいくぐって逃げだそうとしたのが、小間使のお幾でしたが、もうこのお幾がほんとうのお幾であって、さっき屋敷へいくといってすれちがったのが、ニセのお幾であったのか母の白骨を見て煮えたぎりきった左近将監には、ふんべつのつこうはずもありません。

「こ、こいつ、めんどうな!」

とばかり、たちまち刃を横にはらったからたまりません。

「後生でございます。お助けくだされませ……ワァーッ」

と叫んだのがこの世のおわり! 血けむりたててお幾のからだはそこにたおれました。

その屍をふみこえて、ついで下男部屋の戸をガラリとひきあけると、そこには、部屋のかたすみに仲間の茂助が、歯の根もあわずガタガタとふるえています。もはや口もきけず、ただ両手をあわせているばかりです。

「下郎! そこでなにをいたしおる!」

斬られるのかと思いますから、ヒャア! とさけんで逃げだそうとしたのが、また将監の癇をたかぶらせました。