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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

ています。かさねがさねの狼藉に、

「ム、ウムッ」

と、くちびるをかんでとびおりた勝手口の土間にも、外からなげこんだらしい女の屍体がふたつ。

いつぞやおびきだされた途中でおどりかかられたのでしょう。いずれも肩、胴、顔のきらいなくくいあらされたお八重と飯炊きのお稲の屍骸が、これだけは血もすでに乾からびきって、どこかうずめておいたところでも堀りだしてきて、ほうりこんだとみえて、おびただしい土ぼこりにまみれたまま、おりかさなっています。

そしてなるほど台所におろした大戸には、大穴があけられて、曲者はその戸の外から乱入してきたものでしょう。ふせぎきれなかったとみえて、おりかさなってこれまた、目、鼻、口、喉の区別なくくいさかれた下男の嘉蔵と三四松の死骸がふたつ……。

なるほどたたいてもさけんでも玄関の戸のあかなかったのも道理! 隠居所へでかけているるすのまに、屋敷のなかはことごとく全滅をとげていたのです。

全体のようすからさっするに、御殿の出仕からかえってきた新之丞と、待ちぶせていた怪猫のあいだに、坂の途中から屋敷の入口へかけて、はげしい格闘がおこなわれ、そのものおとにおどろいたお藤やお里や下男たちが、大いそぎで戸をしめて、ふるえあがっているところへ、新之丞をくいころした怪猫が、勝手口をやぶって侵入したのでしょう。