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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

を思いだして、助かったのはじぶんひとりっきりのことを考えると、さすがに寝ざめがよくなかったのでしょう。当時としては莫大な、三両二分という大金をだして、非業の最期をとげた主人左近将監をはじめ、むかしの朋輩たちの追善供養を、この恵善和尚にたのんだらしく思われるのです。

そして恵善和尚はしょうちして、三、七、二十一日間の供養をいとなまれましたが、佐平治の話があんまり奇怪をきわめているのと、それにひとつはこの寺のあとあとの和尚さんが、将監の命日にはわすれずに供養をいとなむようにと、佐平治からきいた話をくわしくしるして、寺の過去帖とされたものだろうという、和尚さんの推測だったのです。

ですから、その過去帖の上には『無用の人へ他言を禁ず』と恵善和尚さんの手で、したためられていましたが、本堂にはもうひとつ、そのころにつくられたらしい、ふるびたお位牌がありました。

もはや年代がたって、字もハッキリとよめず、だれのお位牌だろうと、ながいあいだこの和尚さんにもわかりませんでしたが、この過去帖をよんで、ふと思いついたのは、もしかすると後をとむらう人もないのを気のどくに思って、そのとき恵善和尚さんがつくった、小金吾と小金吾の老母のお位牌ではなかろうかという和尚さんの想像でした。