Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
やがて目をあけられると、
「おたのみがなくともわしのできることは、なんなりとしてしんぜるつもりじゃが、こまったことに、これはよういならぬ相手でのう。長年仏につかえてきたわしにも、なかなかよい才覚がうかばぬのじゃよ。それでさっきから、思案していますところなのじゃ」
と、ふかい吐息をもらされました。
「ともかく一番安全な方法は、あの屋敷を即刻出てしまうことじゃ。そしてあんな家は、スグにとりこわしてしまうこと……これよりほかに、安全な方法というものもないのじゃが、しかしそんなことをいくらいまここでくりかえしてみたところで、急場の間にはあわぬ。また、相手はよういならぬ怨霊のことじゃから、いよいよあんたたちが、あそこをでるとさとれば、どんな異変をおこさぬともかぎらぬし……これはよほど考えてみんとのう」
と和尚さんは腕をくんで、じーっと目をつぶられましたが、夕闇のせまってくるうちに、かえりをいそぐふたりにとっては、その目をとじていられるあいだの、どんなに長く感ぜられたことかわかりません。
「しかし、こうやって考えているあいだも、気にかかるのは、あんたの奥さんの身の上じゃ」