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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

この前のように陽は海の向うに沈みかけようとして、また墓は白く森の表に泛び上っていた。そして塒に急ぐらしい数羽の鴉が夕焼けのした空を飛んで行った後には、森の奥の方で何も知らぬ鳥がキキキヽヽヽヽヽとけたたましく啼いていた。それも止むと、またあたりは妙に森閑と静まり返って再び山の墓場は木の葉の落ちる音一つ聞えるくらいの侘しい澄んだ黄昏の色に包まれ初めたが、ちょうどその時に私は墓場の方にサクサクと落葉を踏んで来る例の跫音を聞いた。よく夕方ばかり墓詣りに来る人だな、と思ったが、しかも今日はこの前と違って別にお墓の方で物音もしなかったのは私が茫然していて気づかなかった間に、お詣りも済んでしまったのだろうと別段気にも留めてはいなかった。なまじっか顔を合せるのも面倒臭かったから、私は帰りかけた足を見合せてしばらく凝乎とそこにしゃがんでいた。が意外にもそのサクサクという音はちょうどお墓の前あたりで止まると、

「おや! あの方ですわ、坊っちゃま、いつもお墓にお詣りをして下さる方は」

とついこないだの女中らしい人の声がした。それに続いて、

「坊さま行ってお礼をおっしゃっておいでなせえ。