Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
干乾びてコチコチになった、子熊ほどもある大猫の死骸だったのです。しかもそればかりではありません。
「あっ!」
と、みんなで声をのんで立ちすくんだ、その横手の壁をごらんなさい!
ああ屍体がわからなかったのも道理! 今復讐がなごりなくとげられて、これで安心して目がつぶれるのでしょうか? その頼子ののけぞった横手の壁が、パックリとくずれおちて、おおそのなかに、百七十年間のあいだぬりこめられていた小金吾の死体! スックと壁のなかにつったちながらもはや半分ミイラと化して、やぶれたきものに色褪せたはかま……痩せほそった顔に目をとじた、竜胆寺小金吾のすがた……。
あまりにも凄惨な、あまりにも陰惨なこの場の光景に、ワァッ! とさけんだきり、博士も吉蔵も山吉も、八蔵も与助もおもとも、なみいる一同は顔をおおうたなり、その場につっぷしてしまいました。
わたしの物語はこれでおしまいです。が、なぜこんな陰惨な物語を、ながいあいだ、書きつづけてきましたか、いまこの長い物語をおわるにあたってすこしそれをつけくわえておくことにいたしましょう。
いまの世に、こんな奇怪な、こんな凄惨なことが、じっさいにあったのだろうか? とみなさまは、お疑いになられるかもしれません。