Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
三年ばかり前からはその坊っちゃんも学校をお止めになって、毎日東京から家庭教師の方が、見えていられたらしいということであった。ともかく旦那様も奥様も坊っちゃんも皆さんお胸の弱い方らしく、いつもひっそりと静かに住んでいられたが、東京や鎌倉から自動車でお友達やお医者がしょっちゅう見えてであった。
しかしそういう転地療養のようなお暮しであったから、村との交際は少しもなく村ではただお邸の建っていたところが桐沢台という高台だったので、「桐沢台の別荘」と呼んでいただけであったが、村人の知っている若い美しい奥様は少しもそんな名高い音楽家のような高慢振った様子などは微塵もなく、いつどこでお眼にかかっても、だれにでもそれはお優しい和やかな眼の醒めるようにお綺麗な方であった。そして村の人で桐沢台の別荘へ親しく出はいりしていた人といえば、ただ村の小学校で唱歌の先生をしていた女の人一人だけであったが、「惜しいことにこの先生もこの春横須賀の方の学校へ転任されましたので、ほんとうに生憎のことでございました」と茂十さんは縁側で煙管をコンコンとはたいた。
しかし村との交際はなくても、村の評判では何でも奥様のお里が紀州の大金持だとかで、そこから大分のお仕送りがあるらしく随分贅沢なお暮しをしていられて、この村で電話を引いていられたのはこの