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Japanische Klassiker mit Furigana

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みちくさ

道草

夏目 漱石

Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme

Aozora Bunko

少し気を遣わなければならない面倒が起ると必ず顔を背けた。そうして事情の許す限り凝と辛防して独り苦しんだ。健三にはこの矛盾が腹立たしくも可笑しくもない代りに何となく気の毒に見えた。

「自分も兄弟だから他から見たらどこか似ているのかも知れない」

こう思うと、兄を気の毒がるのは、つまり自分を気の毒がるのと同じ事にもなった。

「姉さんはもう好いんですか」

問題を変えた彼は、姉の病気について経過を訊ねた。

「ああ。どうも喘息ってものは不思議だねえ。あんなに苦しんでいても直癒るんだから」

「もう話が出来ますか」

「出来るどころか、なかなか能く喋舌ってね。例の調子で。――姉さんの考じゃ、島田は御縫さんの所へ行って、智慧を付けられて来たんだろうっていうんだがね」

「まさか。それよりあの男だからあんな非常識な事をいって来るのだと解釈する方が適当でしょう」

「そう」

兄は考えていた。健三は馬鹿らしいという顔付をした。

「でなければね。きっと年を取って皆なから邪魔にされるんだろうって」

健三はまだ黙っていた。

「何しろ淋しいには違ないんだね。それもあいつの事だから、人情で淋しいんじゃない、慾で淋しいんだ」