Japanische Klassiker mit Furigana
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みちくさ
道草
Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme
健ちゃんは慥か七赤だったね」
「何だか知らないが、とにかく三十六ですよ」
「繰って見て御覧、きっと七赤だから」
健三はどうして自分の星を繰るのか、それさえ知らなかった。年齢の話はそれぎりやめてしまった。
「今日は御留守なんですか」と比田の事を訊いて見た。
「昨夕も宿直でね。なに自分の分だけなら月に三度か四度で済むんだけれども、他に頼まれるもんだからね。それに一晩でも余計泊りさえすればやっぱりいくらかになるだろう、それでつい他の分まで引受ける気にもなるのさ。この頃じゃあっちへ寐るのとこっちへ帰るのと、まあ半々位なものだろう。ことによると、向へ泊る方がかえって多いかも知れないよ」
健三は黙って障子の傍に据えてある比田の机を眺めた。硯箱や状袋や巻紙がきちりと行儀よく並んでいる傍に、簿記用の帳面が赤い脊皮をこちらへ向けて、二、三冊立て懸けてあった。それから綺麗に光った小さい算盤もその下に置いてあった。
噂によると比田はこの頃変な女に関係をつけて、それを自分の勤め先のつい近くに囲っているという評番であった。宿直だ宿直だといって宅へ帰らないのは、あるいはそのせいじゃなかろうかと健三には思えた。