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Japanische Klassiker mit Furigana

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みちくさ

道草

夏目 漱石

Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme

Aozora Bunko

あなたはどうしてそう他のする事を悪くばかり御取りになるんでしょう。妾あんまり御無沙汰をして済まないと思ったから、ただ帰りにちょっと伺っただけですわ」

彼が滅多に行った事のない兄の家へ、細君がたまに訪ねて行くのは、つまり夫の代りに交際の義理を立てているようなものなので、いかな健三もこれには苦情をいう余地がなかった。

「御兄さんは貴夫のために心配していらっしゃるんですよ。ああいう人と交際いだして、またどんな面倒が起らないとも限らないからって」

「面倒ってどんな面倒を指すのかな」

「そりゃ起って見なければ、御兄さんにだって分りっ子ないでしょうけれども、何しろ碌な事はないと思っていらっしゃるんでしょう」

碌な事があろうとは健三にも思えなかった。

「しかし義理が悪いからね」

「だって御金を遣って縁を切った以上、義理の悪い訳はないじゃありませんか」

手切の金は昔し養育料の名前の下に、健三の父の手から島田に渡されたのである。それはたしか健三が廿二の春であった。

「その上その御金をやる十四、五年も前から貴夫は、もう貴夫の宅へ引き取られていらしったんでしょう」

いくつの年からいくつの年まで、彼が全然島田の手で養育されたのか、健三にも判然分らなかった。