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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

「こうですか、親分」

ガラッ八は提灯を平次に預けて、何の気もなく、扉をサッと押したのです。

ちょうど八五郎の全身が敷居を跨いだ時、

「あッ」

堂の中から射出された一本の征矢、サッとガラッ八の左の胸へ――。

いや、本当の矢ならそれは間違いもなく、ガラッ八の心臓を射貫いたでしょうが、飛んで来たのは、白くて太いが、実は三尺ばかりの苧殻、ガラッ八をうんと脅かして、敷居の上へ、ポトリと落ちたのです。

「それが両刃の剣だったら、どうなると思う、八」

「親分、判った」

ガラッ八の顔にも生気が蘇ります。

「仕掛は馬鹿のようなものだ、見てくれ」

平次の掲げた提灯の明かりに透かして見ると、怪奇な本尊の前一間ばかり距てて立った左右の柱の間へ、青竹を横に張って弓の代りにし、一杯に引絞ったところを、本尊の後ろの柱の環に、弓の弦を糸で引き、それを入口の扉に連結して、扉を外から開けば、本尊の前の弓が、自然に切って離され、それに交えた苧殻でも、両刃の剣でも、間違いもなく正面の扉を開けた人間の左の胸へ、恐ろしい勢いで飛んで来るように仕掛けてあったのです。

「どうして、こんな事が判ったんです。