Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
「お新の来たのは知っていたのか」
「気が付いていたそうです。流しを通る時、顔へ陽がさしたのを、奥からチラリと見て、――ああ、いつもお綺麗なことだ――と思ったそうで」
「お妾のお才の帰ったのと、お六の来たのは知らなかったんだね」
「その時ちょうどお勝手の煮物を見に立ったそうです。どうせお才やお六は昼湯の定連で、勘定は月極めになっているから、気にもかけなかったでしょう。お才は富士見町の旗本、黒木三之介様のお世話になっている身体で、いつも夕方までには、うんとめかし込んでおかなければならず、お六はお引摺りの日髪日湯で、おまけに疳性と来ているから、混んでからの湯なんかへ入る女じゃありません。この二人は大抵未刻から申刻がらみの刻限に来るそうです」
「丑松は――」
「能登の国から三年前に来て、金を溜めるより外に望みのない男で、湯屋の株を買うのを、大名になるよりも出世だと思い込んでいますぜ」
「丑松でなきゃア、お才だ。――いやまだ下手人と決めるには早いが、女湯の浴槽の中で、背後から人間を刺せるのは、外にありそうもないじゃないか」
と平次。
「その通りですよ親分。二合半坂の親分もその見当で、お才をうんと脅かしましたが、知らぬ存ぜぬの一点張でさ、あの女は面は綺麗だが、性根があまりよくありませんね」