Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

「私はお使いを頂いた神田の平次でございます」

「えッ」

「中に悪者が入って、鶴源へは参り兼ねましたが、その代り危ないところへ間に合いました」

「…………」

「石田様、仔細をおっしゃって下さい。どんなことがあるにしても、腹を切るのはせっかちでございます」

「武士が腹を切るのにせっかちも悠長もない、――俺は、夜明けまでは生きていられないのだ」

「それはまたどういうわけでございます。とにかく、一度はこの平次に相談しようとなすったくらいですから、一応承ってから、何とか思案のつくものなら、この平次の及ぶだけの事は致してみましょう。夜明けまでというと、まだ、たっぷり三刻あります」

平次はいつの間にやら、清左衛門の手から短刀をもぎ取っておりました。

「それでは話そう、――が、昼のうちなら、何とか手を下す術もあったろう。今となってはなにぶん遅い」

清左衛門は寛げた肌をかき合せると、屏風を引寄せて腹切り道具を隠し、火桶の側に二人をさし招いて話し出しました。

その話はかなり長いものですが、掻いつまんだ筋だけ通すと、こんな事になります。

安倍家の先代、大目付を勤めた丹後守が亡くなったのは二年前、跡を襲った丹之丞は、実は丹後守の甥で、当年三十二歳の男盛りで非常な才物には相違ありませんが、物事に表裏があるので目上の受けのいいわりに、家来にとって