Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
「それは解っておる。だからこそ、家来のその方に手を突いて頼むではないか」
「申上げます。が、それについては、私の方にも望みがございます」
「何なりと申してみい」
「安祥以来の御家柄――安倍の御家が大事でしょうか、それとも素姓も解らぬ奉公人のお勝が大事でしょうか」
清左衛門は開き直りました。
「これこれ、いや味を言うな、解りきっているではないか」
横の方から、頻りに凄婉な流し眼を送るお勝に気兼ねしいしい丹之丞はこう言うのでした。
「いや、私には一向解りません。お家の大事、あの二品がどうしても御入用とあれば、まずこの女を阿呆払いに遊ばすよう。この女狐が屋敷内にいるうちは、どのような事があっても二品の行方は申上げられません」
清左衛門は頭を挙げるとハタとお勝を睨み据えました。断じて一歩も退くまじき気色です。
「私が居りゃ何が悪いんだい」
しゃしゃり出るお勝、清左衛門に手厳しくやられて、虔ましく塗り隠した野性が弾き出されたのでしょう、今にも飛びかかりそうな気込みです。
「勝、ならぬぞ。大事の場合だ。その方は遠慮をせい」
野心家の丹之丞はさすがに事情の容易ならぬを覚りました。