Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

*

「平次、――その方の拵えた筋書通り、一寸一分の違いもなく運んだ。改めて礼を言うぞ」

清左衛門は、長屋へ帰って来ると、何よりまず平次の前へ坐ってしまいました。

「旦那冗談じゃありません。私へお辞儀なんかなすっちゃ」

「いや、そうでない。俺は腹を切った上、安倍の御家も断絶するところであった」

「それを喰い止めたのは、旦那の忠義で」

「いやいや、この石田清左衛門は木偶のようなものだ。お前に操られて踊っただけの事ではないか」

「とんでもない」

平次も少し照れがましい様子です。

「ところで、いよいよ城明け渡しだ。武士の躾み、その辺を取片付けて掃除だけでもして行こう。――森三は? お、まだ物置に窮命中であったな、ハッハッハッ」

「城明け渡しとおっしゃると?」

と平次。

「今宵限り、浪人したのだよ。平次、明日からは対等に付合ってくれるだろうな」

何という朗らかさ。

間もなく手廻りの品だけ持った石田清左衛門は、平次とガラッ八を伴れて安倍家の門を夕闇の街の中へと歩み出しました。