Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
「ヘエ――、あまり綺麗じゃございませんよ」
茂七は下男部屋から浅草紙を二、三枚持って来てくれました。比べて見ると、曲者の遺した紙と全く同じもの、断ち口までピタリと合います。
「もう一つ、昨日、ここへ留守をしていたのは誰だろう」
「下男の権治でございます」
「呼んで来て貰おうか」
平次は次第に攻撃の網を絞って行く様子です。
「俺がに用事かね」
ヌッと庭口へ来たのは三十前後、山出しらしい男です。
「つかぬ事を訊くが、――昨日佐々村さんはあの騒ぎの前にお茶を呑みに来たはずだね」
「ヘエ、来ましたが、お茶を淹れて上げると、喉が渇いて面倒臭えから水をくんろ――と言ってね、柄杓で一杯飲んで――」
「それから騒ぎの始まるまでここに休んでいなすったのか」
「大方そうだんべい、――俺はすぐ煙草を買いに百人町まで行ったから、後の事は知んねえ」
「誰の頼みだ」
「佐々村様の頼みだよ」
「フム」
「帰って来たらあの騒ぎだ、――あッ、まだ、その時の煙草を佐々村様へ渡さなかったよ」
権治はあわてて下男部屋へ飛込むと、五匁玉の刻み煙草を持って来たのです。
「その煙草は俺が持って行ってやる、どれ」
平次は手を伸して煙草を引ったくるように庭の方へ出ました。