Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
「エッ」
思わず振り向くお秋の後ろへ、ニヤリと笑って突っ立っているのは、果して銭形の平次の顔です。
「あッ」
驚くお秋を突き退けて、
「御用だぞ、神妙にせい」
一歩平次が進むと、早くも五六歩飛退いた曲者、龕灯を高々と振り上げて平次を睨み据えました。
「平次、寄るな、この龕灯の先を見ろ。向うにある真っ黒なのは焔硝樽だ。あの中に投り込めば、俺もお前も、この物置も、木端微塵に吹き飛ばされた上、百樽の毒薬は、神田上水の大樋の中に流れ込むぞ――」
「…………」
寸毫の隙もない相手の気組みと、その物凄い顔色、わけても思いもよらぬ言葉に、さすがの平次も驚きました。
「寄るな平次、退かないか。丸橋先生、柴田先生が三百三十樽の毒薬のうち、百樽をここに隠して、神田川上水に流し込む計略だったんだ。年月経って、誰も気がつかずにそのままになっているのを知って上水の大樋まで穴を掘り、毒薬の樽を投り込むばかりになっているんだぞ、サア、どうだ」
平次もさすがに驚きましたが、相手の気組みを見ると、全くそれくらいのことはやり兼ねないのは判り切っております。
「待て待て、そんな無法な事をして、江戸中の人間に難儀をかけるのは本意ではあるまい。