Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
それならば、巴里ッ子はダルタニアンやモンテ・クリストの物語を読まないかというと、決してそうではないのである。現に寝室の小卓の上には、いともつつましやかに、大デュマ以下の親しみ深い名著が置かれてあるというのである。それがやがて、ファントマになり、ルパンになったのかもしれないが、そこまでは詮索の限りでない。
物を書くのを職業にしている我々にとっては、自分の書いたものがサロンに飾られて、百年の埃を蒙るのも、誇らしいことであるに違いはないがむしろ差し当っての望みは、寝室の小卓に置かれて、憩いと眠りの、よき友になり、幾度かくり返して読んで貰いたい心持で一杯である。
我々捕物作家は、そう考えたところで、少しも恥ずかしいことではないと思う。とにもかくにも、明るく楽しく、後味の良い捕物小説を提供することが作者二十年来の望みで、この激しい物語の中から、悪を憎むことだけではなくさらに人を愛することの尊さと、人を許すことの美しさを読み取って下されば、作者にとってはこの上もない喜びだ。半生を捕物小説の創作に過ごしたことに対してさえもいささかの悔いも残らない。