Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
平次は目顔でガラッ八を火事場の跡へ追いやりながら続けます。
「――一番先に気のついたのは誰だえ」
「私でございました。飛出そうと思いましたが、縁側の雨戸はなかなか開きません。後で気がつくと外から釘付けにしてあったようでございます。お勝手の方へ廻ってみると、そこはもう一面の火で、店にもどんどん燃えている様子ですから、これはいけないと思って、二階へ飛上がり、女房や番頭の伊助と一緒に、庇へ飛出し、そこから飛降りました」
「外の者は?」
「手代の文治は火の中をくぐって出たそうで、ほんの少し火傷を負いました。――娘のお町は、危うく焼け死ぬところを、お隣の家主の太七さんところの惣領――周助さんに、煙の中から助け出して頂きました」
「小僧さんは?」
「可哀想なことをしました。銘々身一つで逃げるのが精一杯で、竹松が逃げ後れたことに気がつかなかったのです」
「フーム」
「それから、親分さん。これは何かお役に立つかもわかりませんが――、火の出たのは、確かに二ヶ所でございます。裏の薪や炭を入れて置く物置と、炭俵を積んだ店と一緒に燃え上がりました。――これはもう間違いございません。現に、右左の羽目が、あの通り燃え残っているのでも解ります。