Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
かりそめにも火を放けたものは、自分の家であろうと、他人の家であろうと、仮借もなく火刑、――燃え上がらなかった場合でも死罪は免れようがなかったのです。
過ち火を出しても手鎖五十日、地主、家主、月番行事、五人組から、風上二丁、風脇二丁の月行事まで、三十日乃至二十日の押込めという峻烈ぶりでした。
その代り、ときどき出した火の元用心の触れ書も、実に行届いたもので、大風の吹く日は外出を禁じ庇や屋根に水を打たせ、二階に灯を点けさせなかった時代さえあります。
放火を捕まえるか、訴え出た者は、「御褒美人数之多少に依らず」白銀三十枚ずつ、――当時にしては非常な奮発です。「江戸の花」と言われた火事はこうまで用心され、警戒されました。それだけにまた冒険味が豊かで、そのスリルを満喫するために、落語の火事息子のように火事を何よりの好物にした人間も出てきたのでした。
ともかく、放火した者は、現場を見つかるか、後で捕まれば、間違いもなく、日本橋、両国、四谷御門外、赤坂御門外、昌平橋外を引廻しの上、以上五ヶ所へ捨札を建てて火焙りの極刑に処せられるのですから、泥棒や人殺しなどとは、まるっきり話が違います。