Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
これは火事と喧嘩が飯より好きという肌合の男でございます。その次のあぶれは手代の文治、これは望みが大きすぎました。三枚目に生れついた、自分の柄を忘れているようで、ヘエ、へッ、へッ。それからもう一人、周助さんというあぶれもございますが、これはお嬢さんを助けた人で、今のところは有卦に入っております。何しろ、命の親は大したことですからね。もっとも、良い気になって聟の口へ乗出したら、一ぺんにつぶれるんでしょう。五軒や八軒の長屋持ちの倅じゃ、一と箱の持参の三国一とは相撲が取れません。へッ、へッ」
何という悪い口でしょう。平次は胸の悪くなるのを精一杯の我慢で聴いておりました。
「そう言う番頭さんは、主人のことをどう思っているんだ」
「ヘエ」
痛いところへ触れたのでしょう。伊助はギクリとして口を緘みました。
「私は二十年前に暖簾を分けて貰うはずでございましたよ」
何という穏やかな調子に含ませた、深刻な怨みでしょう。
「なるほどね」
「それから三村屋は左前続きで。――この六七年は、定めの給料も頂かず、通いでは勤め切れないので、お二階に置いて頂く始末でございます。ヘエ」
「…………」