Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

「…………」

「先刻風呂場を覗いてみると、釜の中に赤い鼻緒の草履が、少し燃え残ってあったが、――その草履の裏に、何が付いていたか、お前は知っていたはずだ」

「…………」

お夏は青くなりました。

「みんな言ってしまった方がいいよ、――お神さんを殺したのを、お前だとは決して思わない」

平次の言葉に、仰天したのは、お夏よりもかえって青物町の久三郎でした。それほどの証拠がありながら、お夏の無実を証明するような、平次の言葉が気にくわなかったのです。

「では、みんな申します。――あの晩、私は専次さんのことをもう一度お母さんにお願いするつもりで、裏梯子をそっと登って、二階の部屋へ行きました。お母さんが許して下さらないと決れば、その晩のうちに、専次さんと一緒にこの家を逃出して、木更津の叔父さんのところへ行くはずだったのです」

「…………」

お夏の話は、思いも寄らぬものでした。

「部屋の障子を開けて、――私はよく声を出さなかったと思います。お母さんは脇差を背中に突っ立てたまま、行灯の前に俯向きになっているじゃありませんか」

「脇差はたしかに背中に立っていたね」

「え、ギラギラしてよく見えました。