Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme
「親分」
お柳はさすがに胆を潰したものか、平次の前にヘタヘタと坐ります。
「主人の生きているのをお前は見たはずだが、どこで見た」
「親分さん」
「嘘を吐くと大変なことになるぞ」
「納戸へ入ると、――死んだと思った主人が居るんですもの、驚くじゃありませんか、親分」
「それはいつのことだ」
「八五郎親分が帰ってから間もなく、戌刻(午後八時)少し過ぎでした」
「それで、あわてて殊勝らしい顔をしたのか。呆れた女だ」
「でも、親分」
お柳の身体はまたクネクネと媚態を作ります。
「それを誰に話した」
「誰にも言やしません。言うものですか、大事な事ですもの」
「それじゃ孫右衛門殺しは手前だ」
「えッ」
「悲鳴を聞いてから引っ返して主人を一と突きにし、廊下で勘次と鉢合せをしたはずだ」
「違いますよ、とんでもない。あんな結構な主人を殺していいものですか、――それに悲鳴を挙げた時はもう、旦那は刺されているじゃありませんか」
「いや、悲鳴は主人じゃない、お辰だ。主人はあの後で刺されたのだ」
「それじゃお辰ですよ、――孝行面をしやがって、あんなイヤな女はありゃしない。主人に可愛がられながら、一番怨んでいたお辰が、主人を殺したに不思議があるものか」