Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lisez 三国志(五) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.
N1 · avancé · kanji et kana modernes · 325 249 caractères · 653 écrans
二
孔明は、その後で、玄徳へ対して、こう注意した。
「関羽の心裡には、まだ赤壁以来の感傷が残っています。悪くすると黄忠のために討死するやも知れません。それに小勢すぎます。わが君自ら後詰して、ひそかに力を添えてやる必要がありましょう」
二
げにもと、玄徳はうなずいて、すぐ関羽のあとから一軍を率いて、長沙へ急いだ。
彼が、目的地に着いた頃、すでに長沙の城市には、煙が揚っていた。
関羽の手勢は、短兵急に外門を破り、すでに城内で市街戦を起していた。
楊齢というのは、長沙の太守韓玄の股肱の臣で、防戦の指揮官を自分から買って出た大将だったが、この日、関羽がその楊齢を一撃に屠ってしまったので、長沙の兵は潰乱してたちまち城地の第二門へ逃げこんでしまった。
すると、城中からひとりの老将が、奔馬にまたがり、大刀をひっさげて出現して来た。
関羽は、ひと目見るとすぐ、
(さては、孔明が自分にいった黄忠というのは、この老将だな)と感じたので、さっと、彼の前をさえぎって、呼びかけた。
「来る者は、黄忠ではないか」
「そうじゃ。汝は、関羽よな」
「然り。――その白髪首を所望に参った」
「猪口才であろう。