Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lisez 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 337 181 caractères · 676 écrans

Aozora Bunko

(自分ですら、こうして、新しい初春に巡り会えば――)

と思うのである。生きてゆけば、来年も梅の花が見られるのである。世間へ出れば、ここより貧しくても、ここより自由な日があるのである。

(――自分でさえ)

ふと、怖いと思う。

世間では、討入を遂げて、彼等は満足だろうと沙汰しているらしいが、内蔵助の気持では、まだ後に為す事が残っている。それの済まないうちは、自分の事業は、完璧したといえないのである。今日までの懸命は、その仕上げ一つにかかっている。きれいに、理性を失わず、素直に運命に就くことである。それを万一にも履行できなかったら、国法干犯の大罪人だけのものと成り終ってしまうのだ。――そう思うにつけ、彼のみは、一日一日が待ち遠しい。そして、細川家の温情と優遇は、むしろ最後の最後まで、自分の身にかけられた試煉だとさえ思われた。

又、もっともっと、空怖ろしいことは、世上の評価だった。自分たちへ対する絶大な讃辞だった。

(わしは、そんな人間でない、決して、そんな人間でない。不当な褒め方だ。わしの心事のうちを、打ち割って云えば、大野九郎兵衛と同じ思いもある。祇園伏見で酔った心は、計略でも何でもない、心から酔い、心から遊んでいたのだ。