Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lisez 三国志(三) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 312 452 caractères · 628 écrans
二
待て、待て」
と押し止め、行けとも、行ってはならんともいわなかった。
「それがしの武勇では、危ないと仰せられるのでござるか」
張飛が不平を洩らすと、
「いや、汝の性質は、至って軽忽で、さわがしいばかりであって、そのため事を仕損じ易いから、わしはその点を危惧しているのだ」と、玄徳は飾らずいった。
張飛は、なお面ふくらませて、
「もし、曹操に出会ったら、木ッ端みじんに敗れて帰るだろうと、それを心配なさるのでござろう。笑止笑止。曹操が出てきたら、むしろもっけの幸い、引ッつかんで、これへ持ちくるまでのこと」
「だまれ、それだからそちはさわがしい男というのだ。曹操は、その心底には、漢室にとって、怖るべき逆意を抱いているが、名分の上では、常に勅令を号することを忘れておらぬ。――故に、今われ彼に敵対すれば、曹操は得たりとして、われを朝敵と呼ぶであろう」
「この期になっても、まだそんな名分にくよくよしておられるのですか。では、彼が攻め襲せてきても手をこまねいて、自滅を待っているつもりですか」
「袁紹の救いがくれば、何とかこの危機も打開できようが、それもあてにはならないし、曹操からも敵視されては、はや、死するも門なからん……である。