Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lisez 三国志(三) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 312 452 caractères · 628 écrans
二
――十万の大軍、何するものぞ。彼より来るこそ、お味方の幸いである。いま一挙に、それを討たないで、和議など求めて行ったら、いよいよ彼らの驕慢をつのらせ、悔いを百年にのこすであろう」
両者の説を黙然と聞いていた曹操は、しずかに口を開いて、断を下した。
「予は戦うであろう! 議事は終りとする。はや出陣の準備につけ!」
その夜の許都は、真赤だった。
前後両営の官軍二十万、馬はいななき、鉄甲は鏘々と鳴り、夜が明けてもなお陸続とたえぬ兵馬が黎陽をさしてたって行った。
二
曹操はもちろんその大軍を自身統率して、黎陽へ出陣すべく、早朝に武装のまま参内して、宮門からすぐ馬に乗ったが、その際、部下の劉岱、王忠のふたりに、五万の兵を分け与えて、
「其方どもは、徐州へ向って、劉玄徳にあたれ」と、命じた。
そして自分のうしろに捧げている旗手の手から、丞相旗を取って、
「これを中軍に捧げ、徐州へはこの曹操が向っておるように敵へ見せかけて戦うがよい」
と策を授け、またその旗をもふたりへ預けた。
勇躍して、ふたりの将は、徐州へ向ったが、後で、程がすぐ諫めた。
「玄徳の相手として、劉岱、王忠のふたりでは、智力ともに不足です。