Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lisez 三国志(三) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 312 452 caractères · 628 écrans
二
そして、大音声をあげ、
「開門せよ、開門せよ」と、呼ばわった。
時ならぬ軍馬に、
「何者だ」と、門内の部将は、すくなからず緊張して、容易に開ける様子もない。
関羽は声を作って、
「これは、曹丞相のお使いとして、火急の事あって、許都より急ぎ下ってきた張遼という者。疑わしくば、丞相より降したまえる旗じるしを見よ」
と、暁の星影に、しきりと旗幟を打ち振らせた。
折も折、曹操からの急使と聞いて、車冑は、思い惑った。陳登はそれより前に、城内へ帰っていたので、彼が狐疑しているていを見ると、
「何をしているのです。早く城門をお開けなさい。あのとおり丞相の旗を打ち振っているではありませんか。もし使者の張遼の心証を害して、後難を受けられても、それがしは関知しませんぞ」
と、暗に脅かした。
二
車冑もさるものである。陳登にせかれたり脅かされたりしても、
「いや、夜明けを待って開けても遅くはない。何分にも、まだ城門の外は暗いし、前触れもない不意の使者、めったに開けることはならん」と、云い張っていた。
夜が明けては万事休すである。関羽は気が気ではなく、
「開けないか! 火急、機密の大事あって、曹丞相からさし向けられたこの張遼を、何故、城門を閉じてこばむか。