Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lisez 三国志(三) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 312 452 caractères · 628 écrans

Aozora Bunko

袁術があなたを我が子のように愛しているわけが」

「彼の野心を知りながら、知らぬような顔をしていたればこそ、自分も無事にきょうまで袁術の庇護をうけてこられたのだ。いわばこの身を守り育ててくれたのは、玉璽のお蔭といってよい」

「しかし、その大切な玉璽を、袁術の手へ、お渡しになるご決心ですか」

「いかに大事な品であろうと、この孫策は、一箇の小筐の中になど大志は寄せぬ。わが大望は天地に持つ」

孫策の気概を見て、二人はことごとく心服した。その日、三名のあいだに、約束はすっかりできていた。

日を経て、孫策は、寿春城の奥まった所で、袁術にこう訴えた。

「いつか三年のご恩になりました。そのご恩にも酬いず、こういうお願いをするのは心苦しいきわみですが、先ごろ、故郷から来た友達の話を聞くと、叔父の呉景が、楊州の劉に攻めたてられ、身の置き所もない逆境だということです。曲阿にのこしてある私の母や叔母や幼い者たちも、一家一族、非運の底におののいていると聞きます……」

孫策はさしうつ向いて、涙声になりながら云いつづけた。

「――お蔭で私も、はや二十一となりましたが、未だ父の墓も掃かず、日々安閑としているのは、もったいなくもあり、また、腑がいない心地もします。