Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lisez 三国志(五) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.

N1 · avancé · kanji et kana modernes · 325 249 caractères · 653 écrans

Aozora Bunko

ようやく、追いついてきた張遼が、彼の馬の口輪をつかみ止めて、

「これは一体、どうしたということです。たかがただ一人の敵にこれほどまで、狼狽なさる必要はありますまいに」と、歯がみをしながらいった。

曹操は初めて、夢のさめたような顔して、全軍の立て直しを命じた。そしてやや間が悪そうに、

「予が怖れたのは決して一人の張飛ではない。橋の彼方の林中に敵の埋兵がたえず騒めいていたので、また何か孔明が策を設けているのではないかと、きょうは大事を取って退却を命じたまでだ」

と、いった。

その時、彼のてれ隠しを救うにちょうどよい煙が揚った。敵は長坂橋を焼き払って退いたというのである。そう聞くと曹操は、

「橋を焼いて逃げるようでは、やはり大した兵力は残っていないに相違ない。しまった、すぐ三ヵ所に橋を架け、玄徳を追いつめろ」と、号令をあらためた。

玄徳主従とその残兵は、初め江陵へさして落ちてきたのであるが、こんな事情でその方角へはとうてい出られなくなったので、にわかに道を変更して、陽から漢津へ出ようと、夜も昼も逃げつづけていた。

一帆呉へ下る

一

玄徳の生涯のうちでも、この時の敗戦行は、大難中の大難であったといえるであろう。