Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lisez 三国志(五) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.
N1 · avancé · kanji et kana modernes · 325 249 caractères · 653 écrans
二
……よい婿をえらんで嫁がせてくださいよ。……もし、母のことばを違えたら、九泉の下で、親子の対面はかないませんぞ」
云い終ると、忽然、息をひきとった。
枕頭をめぐる人々の嗚咽の声が外まで流れた。
高陵の地、父の墓のかたわらに、棺槨衣衾の美を供えて、孫権はあつく葬った。歌舞音曲の停まること月余、ただ祭祠の鈴音と鳥の啼く音ばかりであった。
二
喪の冬はすぎて、歳は建安十三年に入った。
江南の春は芽ぐみ、朗天は日々つづく。
若い呉主孫権は、早くも衆臣をあつめて、
「黄祖を伐とうではないか」と評議にかけた。
張昭はいう。
「まだ母公の忌年もめぐってこないうちに、兵を動かすのは如何なものでしょう」
周瑜はそれに対して、
「黄祖を伐てとは、母君のご遺言の一つであった。何で喪にかかわることがあろう」と酬いた。
いずれを採るか、孫権はまだ決しかねていた。
ところへ、都尉呂蒙がきて、一事件を披露した。
「それがし龍湫の渡口を警備しておりますと、上流江夏のほうから、一艘の舟がただよい来って、二十名ほどの江賊が、岸へ上がって参りました」
呂蒙はまず、こう順を追って、次のように話したのである。