Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lisez 三国志(五) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.
N1 · avancé · kanji et kana modernes · 325 249 caractères · 653 écrans
孔明のことばに信頼して、諸臣も、
「では、異議なし」と、一致した。
玄徳はなお危ぶんでいたが、孔明はそれを力づけて、まず答礼の使いをやってみることにした。呂範と共に、その意味で、呉に下って行った者は家中の孫乾であった。
月日を経て、その孫乾は、呉から帰ってきた。そしていうには、
「呉侯は、それがしを見ると、落胆しました。理由は、呂範と共に、わが君が、すぐにでも呉へお出でになるものと、独り決めに、予期していたらしいのです。それほどに、呉侯自身は、この縁談の成立を熱望しています。もし、この縁が結べれば、両国の平和のため、大慶この上もないことだ。ぜひ、一日も早く参られるよう劉皇叔にすすめて貰いたいと、ねんごろなご希望でした」
とある。
けれどなお、玄徳には、迷っているふうがあった。しかし、孔明は、着々と準備を運び、随員の大将をも、趙雲子龍に任命した。
そして趙雲に、手ずから三つの錦嚢を授けた。呉へ行って事きわまる時は、この嚢を開けて見るがいい。あらかじめ、自分が肝胆を砕いた三ヵ条の計は、この錦の嚢に秘めておいた。これを以て、孔明も共にわが君に随員しておるものと思い、惧るることなくお供して参るがよいとくれぐれも諭した。