Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lisez 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 193 caractères · 463 écrans
都を知らない弟たちとは少しちがうぞ。おれは、叔父共に、ごま化されはしない。また、怖れもしない」
しきりに、彼は、自分へむかって、呟き出した。郷土の大自然は、やはり、肉親の父に次いでの、無言の慈父であった。正しい勇気と、良心とが、さかんに、彼の若い体を励ますものとみえる。
「そうだ。人間を相手に思うまい。都にいても、人間仲間は、あの通りだ。腹ばかり立って、おれも、純友や不死人のような考えになってしまう。郷里もそうだ。叔父共の肚ぐろさには、業が煮えて、たまらないが、過ぎた事には、囚われまい。――ただ、土をあいてに、黙々と、出直そう。父の良持のした生涯を、この息子も、素直に倣って、行くとしよう。愚鈍というならいえ。お人よしと笑うなら笑え。おれには、総領の任がある。土さえあれば、おれだって、父の一代ぐらいな家門には、きっと、盛り返してみせる。いや、それ以上にもして、叔父共を、見返してやる」
帰り途に、彼は、父の代から牧の番をしていた御厨の浦人の住居をのぞいた。厩は朽ち、馬の影も見えない。ただ、破れ戸の内の土間に、白髪の媼が一人、糸車を廻して、独り、糸を紡いでいた。