Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lisez 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 193 caractères · 463 écrans

Aozora Bunko

桔梗ひらく

桔梗ひらく

到底、三人の叔父に横領された遺産の大には、及びもしないが、それでも、将門はひとまず、家運を挽回した。

すんでの事に、建ち腐れともなる、父祖以来の、豊田の館を、もりかえした。叔父共の手からは、依然、一枚の田も返されてはいないが、奪られた家産田領の何十分の一かは、自分の努力と汗から取りもどした。

「――天はおれを憐んでくれている。おれには、励みがある、人知れぬ楽しみもある」

黙々三年の間、彼を時々ニタニタさせていた胸中の秘密は、承平五年の正月、初めて、一族兄弟に、披露された。

「ことしは、おれも、妻をもつぞ。……誰だ? 当ててみろ」

と、初春の宴会の夜である。いきなり大勢の前で、こう、彼らしく、いい出したものである。

「ほんとなら、一族の歓びです。お館とて、早や三十五歳にもおなりですもの」

みな、どよめいて、杯を上げ合ったが、さて、将門が正室として迎えようと決意したほどの女性は、誰であろうか? 誰にも見当はつかなかった。

当時、早婚の風は、平安の都ばかりでなく、鄙でも、十三、四、あるいは十五、六歳で妻をもつ者は、幾らもあった。だから勿論、将門が三十五歳まで女性を側におかなかったというわけではない。