Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lisez 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 193 caractères · 463 écrans

Aozora Bunko

御子と女奴

御子と女奴

原始のすがたから、徐々に、人間のすむ大地へ。

坂東平野は、いま、大きく、移りかけていた。

――ために、太古からの自然も、ようやく、あちこち、痍だらけになり、まぬがれぬ脱皮を、苦悶するように、この大平原を遠く繞る、富士も浅間も那須ヶ岳も、硫黄色の煙を常に噴いていた。

たとえば、茲にある一個の人間の子、相馬の小次郎なども、そうした“地の顔”と“天の気”とを一塊の肉に宿して生れ出たような童だった。

年は、ことし十四ぐらい。

かた肥りの、猪肉で、野葡萄のような瞳をもち、頬はてかてか赤く、髪はいつも、玉蜀黍の毛みたいに、結び放しときまっていた。全身、どこともなく、陽なた臭いような、土臭いような、一種の精気を分泌している。

だが、今年になってから、その童臭も、黒い瞳も、どこか、ぼやっと、溌剌を欠いていた。痴呆性にすらそれが見えるほど、ぼやけていた。

父の死後。家に飼っている女奴(奴婢)の蝦夷萩と、急に親しくなって、先頃も、昼間、柵の馬糧倉の中へ、ふたりきりで隠れこんでいたのを、意地のわるい叔父の郎党に見つけられ、

「御子が、蝦夷の娘と、馬糧倉の中で、昼間から、歌垣のように、交くわりしておられた。