Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lisez 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 193 caractères · 463 écrans

Aozora Bunko

流人秀郷

(――小次郎。庭さきへ来い)

とでも、家司を通じて、おことばが、かかるかと。

待てば、長い。なかなか、なんの吉事もない。

八月。――秋の初めである。

ある日、小一条のやかたに、一群の訪客があった。

訪客たちは、遠国からの人々らしく、同日、市坊の旅館に、旅装をといて、あらかじめ、使いをもって、右大臣家の内意をうかがい、衣装、髪かたち、供人などが担うて来た土産の品々まで、美しく飾りたてて、いとものものしく門へ佇み並んだものだった。

「これは、東国下野の掾、俵藤太秀郷にござりまする。越し方、かずかずの御鴻恩にも、たえて、親しゅうお礼も申しあげず、御不沙汰をかさねておりました故、いささか、国土産なと、おん目にかけばやと、まかり出てござる」

ひとり、秀郷だけ、内へはいって、ほかの郎党は、平門にのこし、こう、大臣家の上達部へ、申し入れた。

流人秀郷

秀郷も、小次郎の亡き父、平良持とひとしく、坂東地方の北辺に、幾代かをかさねている土豪の族長であった。

かれの居館が、下野の田沼に近い田原にあるところから田原ノ藤太ともいわれ、俵藤太とも書かれている。

かれは生え抜きの坂東土豪だが、母系が藤原氏の縁をひいているところから、藤原姓も名乗っていた。