Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans

Aozora Bunko

のめのめと、今さら、奉行所へは帰れない。

また、この不幸な老先輩の死を見すてるのも忍びないが、生きていよとは、なおさらすすめ難い。当然、老先生は死ぬべき人である。

(殉じよう。師の大不幸に殉じるのも、ふかい因縁だ、運命だ)

彼は逃げなかった。

江漢の手は、もう、耀蔵の胸元をつかんで、右手の刃を、向けていた。

じいっと、眼をふさいで、耀蔵の心支度を待っていた。耀蔵も、黙然と、刃をぬいて、師の襟もとをつかんだ。

「……死んでくれるか」

「お供をいたしまする……」

「おう」

江漢は、にいっと、笑った。――白髯を払って、喉を示しながら、

「刺せ」

と、言った。

「ごいっしょに」

「む」

と、江漢の刃は、耀蔵の喉のそばを、ひやりと、とおりぬけた。はっと、思う途端に、真っ正直に突いて行った耀蔵の刀の切ッ尖は、江漢老人の喉ぶえに、ぐざっと、突きとおったかと思った。

だが――老人は、その切ッ尖を、ついと、交わしてしまったのである。そして驚く耀蔵の耳へ口をよせながら、ううーむ……と作り声をあげて、彼のからだに絡みながら、諸倒れに、俯ッ伏して首を垂れた。

「ううむッ……うーむ……」