Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans

Aozora Bunko

麻の葉扱帯

ところが、どうでしょう、あれからまだ半月と、経たねえうちに、この災禍だ」

と、拳で、眼をこすッて、

「妹のやつが可哀そうで……。あっしゃ、死骸を一目見たとたんに、意地にも我慢にも、泣かずにゃいられませんでした。元はといえば、老先生のご注意を、うわの空で聞いていた罰ですが、もうこの上は、しかたがありません。どうか、お力をもって、妹の敵をとってやって下さいまし」

「よし、すぐに、行ってやろう」

麻の葉扱帯

「有難うございます」

と、舟辰と共に、そう言って、

「実は、老先生の出先も心配になるので、店の者を、後から尾けさしておいたので、此寺と分りましたから、すぐに、駕を持って参りました」

「あ、そうか、深川の何処だな。その、兇行のあった場所は」

「櫓下の河岸ッぷちです。――ゆうべ柳橋の五明庵というお茶屋から、妹を招んだ侍があったそうです」

「む」

「上品な、どこかの、若殿様でもあるような美い男で、お忍び遊びという寸法らしく、黒縮緬の頭巾をかぶったまま、酒をのんでいたというんです」

「……ははあ……」

老先生の眼が、くるりと、うごいた。

「で? ……それから」

「あっさりと、遊んでから、屋根船を雇って、妹を連れて行きましたが、五明庵でも、抱え主のお紺さんも、安心して手放したほど、その客は、金ぎれもよし、人品もよかったんだそうで」