Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 866 caractères · 318 écrans
七
「二つの品は御屋敷にはございません。下々の者の手で隠された上は、やはり親分のような方に捜して頂く外はございません。もし万一の事があれば、奥の取締りをいたしている私と側用人の兄は生きてはいられません、――兄妹二人の命で済めば、これほど易い事はございませんが、一万二千石の小堀家の興廃となると、家中の者の難儀は思いやられます。お願いでございます、親分」
早瀬はもう顔を挙げる気力もありませんでした。ガラッ八は、こんなに冷たい取済ました女も泣くものだろうか――といった様子で物珍しそうにその白い項を見ております。
七
「驚いたろう、親分」
早瀬を送って出ると、ガラッ八はもうこんな事を言います。
「女狐のようなお徳に口説かれる方が、まだしも楽だろうよ。御守殿崩しは苦手だ」
平次もさすがに堪能した様子でした。
「これから何をやりゃいいんで」
「もう一度鎌倉町へ行ってみよう、――昨夜から跟け廻したのは、小堀家の者と判ったから、この上の遠慮は要らねえ」
「すると、麻布からあっしを跟けて来たのも、戸袋の蔭の二本差も?」
「そうだよ、まさかお側用人の桑原伊織ではあるまいが、奥方一味には違いないよ。