Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 230 caractères · 280 écrans
「ワ――ッ」
と唸りを生じた群衆の声と共に、壇をめぐる枯柴は燃え上がり、一挙に俄か造りの壇を舐めます。
「今こそ、我が法力を知ったか」
壇の中央、焔の真ん中に立ち上がった東海坊は、高々と数珠を打振り打振り、虎髪をなびかせて叱咤するのです。
「南――無」
群衆はこの奇蹟に直面して、ただ感嘆の声を併せるばかり、中には大地に土下座して、随喜の涙を流す者さえあります。
枯柴は完全に燃えて、焔は壇を一杯に包むと、ここにまた思いも寄らぬことが起りました。今の今まで、高らかに呪文を称えて、その法力を誇示していた壇上の東海坊は、何に驚いたか、急に壇上を駆け廻り、床を叩き、壇を蹴飛ばし、浅ましくも怒号する態が、渦巻く焔の間から、チラリチラリと隠見するのです。
「た、助けてくれ――ッ」
壇上に狂態の限りを尽す東海坊の口から、とうとう救いを求める声が漏れました。焔は壇上に這い上がって、修験者の白衣に移り、メラメラと袈裟を嘗め上がる様子が、折から暮れ行く道灌山の草原の上に灰色の空を背景にして、あまりにもまざまざと見えるのです。
東海坊は焔に包まれて、犬のごとく這い廻り、虫のように飛びました。