Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 230 caractères · 280 écrans
五
しばらくお茂与の思うままに踊ってやろう。おや、もう有峰杉之助という人の浪宅じゃないか」
平次は八五郎を顧みて戦闘準備を促しました。仕事は第二段に入ったのでしょう。
五
「有峰杉之助は拙者だが、御用の筋は?」
三十五六のまだ壮年の武士でした。月代も髯も少し延びましたが、それが無精らしくはなく、細面のなんとなく聡明らしい感じのする浪人者です。
「あっしは町方の御用を承る平次と申すものですが、旦那はなんですか、あの宗方善五郎様とは御懇意で――」
平次はさり気なく捜りを入れます。
「ゆうべ死んだそうだな、――お気の毒な、――昔は同藩であったが、少しも別懇ではない」
「往来もなさいませんので」
「しないよ。向うは有徳人、私は貧乏人、付き合う方が不思議なくらいだ」
有峰杉之助は面白そうに笑うのです。秋の単衣がひどく潮垂れて、調度のないガランとした住居は、蟋蟀の跳梁に任せた姿です。
「旦那は――ズケズケ申しますが、あの宗方様を怨んでいるようなことはございませんか」
「怨んでいるよ」
「ヘエ――」
平次は少し度胆を抜かれました。杉之助の言葉が予期以上に唐突で正直だったのです。
「怨んでいる仔細は気の毒だが話せない」