Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 230 caractères · 280 écrans
五
例えば御徒町の伊勢屋の利八さん、これは喘息がどうしても治らず、先達様を怨んでおりました」
一番弟子の定吉は応えました。
「その利八は今日来ていたのかな」
「顔が見えました。それから門前町の文七、倅の文太郎は七日七夜の祈祷で百両もかけたのに助からなかったと、先達様の悪口を言い触らしております。今日も来ていたようですが、先達様が火の中で死んだと解ると、底の抜けるような大笑いをして帰りました」
定吉の話で、東海坊の法力なるものの正体と、それを囲る恩怨の渦が次第に判るような気がします。
「ところで、護摩壇の下の抜け穴だ。あれを知らなかったとは言わさない。誰と誰が知っていた」
「…………」
定吉と左門次は顔を見合せて黙り込んでしまいました。
「それくらいの事は言えるだろう。誰と誰が抜け穴のあることを知っていたんだ」
「…………」
頑固な沈黙がつづきます。
「親分さん」
「あ、大徳屋さんか」
「私から申しましょう」
大徳屋は静かに膝を進めます。
五
「え? お前さんが知っているのかい」
平次も少し予想外でした。世間の噂では、娘の病気は治ったが、それから東海坊にだまされて、下谷一番という身上の半分は痛めたろうといわれる大徳屋徳兵衛は、いわば東海坊にとっては、大事なだまし相手で、このお客様に抜け穴の秘密を知らせるはずはないように思ったのです