Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 230 caractères · 280 écrans
六
黒衣があったら念入りに見るんだぜ。それから道化の衣裳――有平糖のような裃がもう一と揃いあるはずだ。それも見て来るがいい」
「ヘエー」
ガラッ八にも、何か次第に事件の真相が判るような気がしたのです。
六
翌る日、ガラッ八の報告は、平次の考えたことと、ピタリピタリと合って行きました。
第一番に、二年も使わないという黒衣が、埃を冠っておりますが、畳み目も崩れて衣裳棚へ抛り込んであり、道具裏には天井から下がった太縄が三筋も四筋もある上、壁や羽目に足掛りがあって、軽業師ならずとも、縄を手繰って容易に登れそうだというのです。
道化の赤縞の裃は、平次が考えたように、同じものが二た組ありました。しかもその一と組は衣裳戸棚の底へ、団子にしてねじ込んで、容易に見付からないようにしてあったのでした。
「それでいい、――染ちゃんは助かったよ、お静」
平次は勝手へ声を掛けました。
「まア」
お静は前掛で濡れた手を拭き拭き、ペタリと敷居際に坐り込んでしまいます。
「八、今度はむずかしいぞ。玉之助や玉吉では手におえまい。お前の工夫で、一寸法師の玉六をおびき出すんだ。あの男は思いの外確り者らしいから、容易に口を割るまいが、うんと脅かしたら、なんとか眼鼻がつくだろう。