Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lisez 三国志(五) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.
N1 · avancé · kanji et kana modernes · 325 249 caractères · 653 écrans
「大勢、ふたたび不利か」と、一時は、周瑜をして、眉をくもらせたほどだった。
時に、甘寧は、
「いで。これからだ」と、董襲にもうながし、かねてしめし合わせておいたとおり、決死、敵前に駆け上がるべく、合図の旗を檣頭にかかげた。
百余艘の早舟は、たちまち、江上に下ろされて、それに二十人、三十人と、死をものともせぬ兵が飛びのった。
波間にとどろく金鼓、喊声につれて、決死の早舟隊は、無二無三、陸へ迫ってゆく。
或る者は、水中の張り綱を切りながし、或る者は、氷雨と飛んでくる矢を払い、また、舳に突っ立った弓手は、眼をふさいで、陸上の敵へ、射返して進んで行った。
「防げ」
「陸へ上げるな」
敵の小舟も、揉みに揉む。
そして、火を投げ、油をふりかけてくる。
白波は、天に吼え、血は大江を夕空の如く染めた。
黄祖の先鋒の大将、陳就は岸へとび上がって、
「残念、舟手の先陣は、破られたか。二陣、陸の柵をかためろ」
声をからして、左右の郎党に下知しているのを、呂蒙が見つけて、
「うごくなっ」と、近づいた。
岸へとび上がるやいな、槍をふるって突きかけた。――陳就は、あわてて、
「やっ、呉の呂蒙か」