Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lisez 三国志(五) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.
N1 · avancé · kanji et kana modernes · 325 249 caractères · 653 écrans
「迅くッ。迅く!」と、舷へ寄せた一小艇は、焔の下から絶叫する。揺々たる大波は沸え立ち、真っ赤な熱風はその舟も人も、またたく間に焼こうとする。
「おうっ」
「おうっ。いざ丞相も」
ばらばらと、幕将連はそれへ跳びおりた。曹操も躍り込んだ。各※(二の字点、1-2-22)、身ひとつを移したのがやっとであった。
けれど、それを見つけた呉の走舸や兵船は、
「生捕れっ、曹操を!」
「のがすな、敵の大将を」
と、四方から波がしらと共に追ってくる。
波の上には焦げた人馬の死体や、焼打ちされた船艇の木材や、さまざまな物が漂っていた。曹操の一艇は、その中を、波にかくれ、飛沫につつまれ、無二無三、逃げまわっていた。
すると一艘の蒙衝(皮革艇)に乗って、こよいの奇襲船隊の闘将、呉の黄蓋が、曹操を討ちとる時は今なり、是が非でも、彼の首を挙げんものと、自身、快速なそれへ乗り移って、曹操を追いかけてきた。
「逃ぐるは醜し、魏の大丞相曹操たるものの名折れではないかっ。曹操、待てっ」
と、熊手を抱えて、舳に立ち、味方の数隻と共に、漕ぎよせて来た。
「推参な!」
と、曹操の側から、張遼が突っ立って、手にせる鉄弓からぶんと一矢を放った。