Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lisez 三国志(五) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.

N1 · avancé · kanji et kana modernes · 325 249 caractères · 653 écrans

Aozora Bunko

発矢、振り下ろした剣は、火華をとばし、見事、その巨岩を両断していた。

物蔭から人が歩いてきた。

「皇叔。何をされたのです?」

「おお、呉侯でおわすか。……実は、こうです。貴家の一門となって、共に曹操を亡ぼし得るなら、この岩斬れよ。然らずんば、この剣折れん――と天に念じて斬ったところ、この通り斬れました」

「ほ。……なるほど。では予も試みてみよう」

孫権も、剣を抜いた。同じように天へ祈念をこらして、大喝一声すると、剣石ともに響いた。

「やっ……斬れた」

「オオ。斬れましたな」

この奇蹟は、後世の伝説となって、甘露寺の十字紋石とよばれ、寺中の一名物になったという。

「どうです。皇叔、方丈へもどって、さらに杯を重ねようじゃありませんか。長夜の宴です」

「いや、座にたえません。あまり大酔したものですから」

「では、ひと醒まししてからまた」

袖を連ねて、門外へ逍遥に出た。

月小さく、山大きく、加うるに長江の眺め絶佳なので、玄徳は思わず、

「ああ、天下第一の江山」と嘆賞した。

後世、甘露寺の門に「天下第一江山」の額が掛けられたのは、彼の感嘆から出たものと云い伝えられている。