Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lisez 三国志(五) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.

N1 · avancé · kanji et kana modernes · 325 249 caractères · 653 écrans

Aozora Bunko

なので、世にこれを、

「蜀の桟道」と呼ばれている。

さて、こういう蜀も、遂に、時代の外の別天地ではあり得なかった。

蜀の劉璋は漢の魯恭王が後胤といわれ、父劉焉が封を継いでいたが、その家門と国の無事に馴れて、いわゆる遊惰脆弱な暗君だった。

「漢中の張魯が攻めてくるとか。いかがすべきぞ。ああ、どうしたらいいか」

彼は、生れて初めて、敵というものが、すぐ隣にいたのを知ったのである。

蜀の諸大将も、みな怯えた。するとひとり、評議の席を立って、

「不肖ですが、それがし、三寸の舌をうごかして、よく張魯が軍勢を退けてご覧にいれる。乞う、お案じあるな」と、いった者がある。

見れば、その人は、背丈五尺そこそこしかなく、短身長臂、おまけに、鼻はひしげ、歯は出ッ歯で、額は青龍刀みたいに広くて生えぎわがてらてらしている。

ただ大きいのは声だけだ。声は鐘を撞くように余韻と幅がある。

「やあ、張松か。いかなる自信があって、さような大言を吐くか」

劉璋以下、諸大将が半ば危ぶみながら問うと、

「百万の兵も、一心に動く。一心の所有者に、それがしの一舌を以て説く。なんで、動かし得ぬことがありましょうか」