Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lisez 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 193 caractères · 463 écrans

Aozora Bunko

「よし。何が、突然起っても、おれは決して、驚きはしないぞ。それ程なら、毛野川を渡って来はしない」

将門は、自分へむかって、そういっておく必要を覚えた。大股に、広前を斜めに歩き出していた。さらに、山庭へはいりこんだ。さっきから、喉の渇きが求めている水を――どこかに、岩清水の落ちている音を――探しに行ったものらしい。

きれいに、手のとどいている灌木や、岩苔や、松の巨木は、目につくが、水は、どこを通っているのか、見つからなかった。そのかわりに、彼は、思いがけないものを、ふと、彼方の木蔭に見出した。

先でも、いぶかるように、将門を見ていた。

「あ。……?」

将門は、理由なく、顔をあからめた。いま以て、彼は、美しい女性と感じると、理由の生じない前に、顔はもちろんだが、体じゅうに反射が起った。

彼が、うっかり立ち入ったところは、女の住居のある壺であったかも知れない。都の忠平左大臣の小一条の壺が思い出された。大臣が、そこに秘して可愛がっていた紫陽花の君によく似ていて、それよりはやや小づくりで年も若い女性が、じっと、なおまだ木蔭から、彼の姿を、見すましているのだった。